C11と転車台

機関車
10 /25 2014
ふと、函館本線ニセコ駅転車台を見て思った。

「これって、C62 3号機のために新得からわざわざ移設したんだよな…」

もちろん、蒸気機関車が現役の頃からあるものではない。

あれから20年以上たち、そんなことを知る者も少なくなった。

「C62ニセコ号」を撮影に行った時は、いつもこの転車台の脇で
C62 3号機の転向作業を眺めていた記憶がよみがえる。

結局、「SLニセコ号」はこの転車台を使うことなく消えていった。

そして、

「深名線が廃止される時、雑草に埋もれた転車台が
まだ朱鞠内駅にはあったなぁ。」

そんな記憶も蘇ってくる。
こちらは完全に国鉄時代の遺産だ。

C11 171号機が復活した際、C11という形式が選ばれた理由について、
「バック運転が容易であり、転車台が不要だから」というJR北海道の説明であった。


そんなわけで、「C62ニセコ号」の時のニセコ駅のように、そして
今だに根強い人気を誇る「SL やまぐち」の津和野の転車台のように、
間近でSLの転向作業を見ることは今の北海道ではできないのである。

蒸気機関車はその運行もそしてそのメンテナンスも、現代の電気機関車や
ディーゼル機関車のように一筋縄ではいかない。そのことが蒸気機関車が
「生き物」に例えられる所以なのである。

蒸気機関車を走らせるためには手間がかかる。
手間のかかる転向作業も蒸気機関車を走らせるために必要な作業なのである。

それゆえ、本線上を走る姿だけでなく、一連の流れとして転向作業や
機回しも近くで眺めていたい。それが真の愛好家というものである。


そんなわけで、北海道では見られなくなってしまった蒸気機関車の
転向作業は↓こちらの動画(YouTube)でゆっくりお楽しみください。
 『58654号機 転車台転向作業 / 肥薩線人吉』



JR九州は、JR西日本とともに機関車をすごく大切にしてますよね。

JR九州「SL 人吉」JR西日本「SL やまぐち」などを見ると
そのことが伝わってきます。
国鉄時代から脈々と受け継がれている伝統です。

蒸気機関車だけでなく、いつも機関車が磨き上げられている。

その姿を見ると「車両を大切に扱う」、まさにそのことが安全輸送へと
つながっていることは誰が見ても明らかなことです。



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また、鉄道のみならず自然
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を幅広く撮影している。

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