【Rail Magazine誌 2013年10月号(左)と2013年12月号(右)】2013年秋、世界一の豪華列車を目指してデビューした
JR九州の
クルーズトレイン 『ななつ星 in 九州』。
一方、同じく2013年秋に廃止の方向性が明らかになった
JR北海道の
寝台特急『北斗星』。
この2つの明暗は、JR九州とJR北海道の鉄道事業にかける
意気込みの違いが表れたものではないだろうか。
確かに、国鉄時代に製造された
『北斗星』用の客車や機関車は老朽化し、
それらを更新するためには多額の費用がかかるのは当然である。
しかし、
『ななつ星 in 九州』の製造にも多額の費用がかかり、
一説には客単価が高いとはいえ、採算は合わないのではないか、
とさえ言われている。
けれども、これはJR九州という企業にとって必要な”投資”なのである。
『ななつ星 in 九州』 という列車単体だけでは採算が合わないかもしれないが、
この投資を行うことによって、豪華列車を運行・維持する技術力が上がるだけでなく、
社員の士気は上がり、接客などの技術力も向上する。
そのことは長い目でみれば、潜在的な乗客増や企業価値の向上につながり、
企業としては明らかにプラスの方向に進むのである。
また、この豪華列車を走らせることにより九州全体の活性化につなげたい、
ということをコンセプトの一つに挙げていることも見逃せない。
それは、
『ななつ星 in 九州』のみならず、
三角線というローカル線に走らせた
『A列車で行こう』や
指宿枕崎線の
『指宿のたまて箱』なども同様である。
一方のJR北海道はどうか。
車両更新の費用、深夜の新幹線保守間合の確保などなど、
『北斗星』を取り巻く環境が厳しいのは事実。
しかし、青函トンネルが開通し、
寝台特急『北斗星』がデビューした頃、
発足間もないJR北海道は、当時、豪華寝台特急といわれた
『北斗星』を
JR北海道の「看板列車」に育て上げると意気込んでいた。
あの時のJR北海道には、夢と希望に向かって努力するという
意識が高かった。
それが今はどうだろうか。
やはり、企業風土と立て続けの事故は無関係ではあるまい。
(参考文献)
・Rail Magazine 2013年10月号
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・Rail Magazine 2013年12月号
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